窓越しのエマ
それから姉さんは食事の支度に取りかかった。

すっかり陽は落ちて、窓の外は宵闇に包まれていた。

時折り、近くの街灯が頼りなく明滅する。


しばらくしてキッチンから甘い匂いが漂ってくると、姉さんは折りたたみ式のテーブルを車椅子の前に置き、できあがった料理を運んできた。

僕は大きく息を吸いこみ、ともすると萎えそうになる気持ちを奮い立たせた。

食事ほど身にこたえる重労働はない。


重湯、くずあん、味噌汁、ヨーグルト、フルーツジュース。

いつもの流動食をストローで飲み下す。


姉さんは僕の口からこぼれる食事を時々ハンドタオルでぬぐい、その様子をエマが頬杖をついて興味深そうに眺めている。

心なしか、今日のくずあんは少し味が薄いような気がした。
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