Pink色。
未定
「美菜ーっ!彼氏、正門で待ってるよ!」
そう言って走ってあたしの元へ来たのは、親友の池内茅沙。
「ったく、美菜はモテモテなんだからー!これで何人目よ?」
あきれ顔で言う茅沙をスルーして、「行ってくるね」と伝え正門へ急いだ。
安田美菜。中学2年生。
今まで作った彼氏の数………15人。
ちなみに、中1で13人。今年で2人目。しかも、ほとんど他中。
正門へ行ったら、彼氏の篤がいた。
「美菜ーっ、おっせぇぞ!俺、めっちゃ待ったんだけどー。」
篤は、毎度おなじみのちょっとチャラめの服に身を包み悲しそうな顔をした。
「ごめんねー、茅沙と話してて……これでも急いで来たんだよ?」
少しブった感じの方が男ウケがいい。
こんなあたしを見れば、ほとんどの男があたしに釘付け。
篤とは、ナンパから始まった恋だった。いや、恋と言うかただ付き合ってるだけ。
本当の恋なんてしたことない。今までもずーっと、相手の片思いだけで付き合った。
「そろそろ、行くか。皆集まってんぞ。」
あたしは篤の自転車の後ろに腰をかけ、篤は自転車をこぎ始めた。