嘘で隠された現実(リアル)
練習室に着くと、朱月はポケットの中から鍵を取り出し、それを鍵穴に差し込んだ。

それをただぼんやりと見ていた私だったが、よくよく考えてみると、それがおかしいことに気付く。


「ねぇ‥何で朱月が鍵持ってるの?」


ここまで当然のようについて来てしまったが、冷静になって考えてみれば、この部屋には鍵が掛かっていて当然なのだ。

だからまずは、その鍵を取りに行かなければならなかった。

その鍵がある場所は、職員室のはずだ。

たとえ職員室ではなかったとしても、朱月が持っているはずがない。

個人的に管理できるはずがないのだ。


「あーこの前返し忘れた…」


「忘れたって…」


「やっぱ、先生に怒られっかな?」


朱月は気まずそうに、ドアのノブを回した。
< 100 / 331 >

この作品をシェア

pagetop