嘘で隠された現実(リアル)
「お前が家から追い出されたきっかけを作ったのは俺かもしれないけど‥本当にそうなったのは、お前自身の責任だろ?でもまぁ同情くらいはしてあげる。俺、優しいからさ。嬉しい?」


「…」


「反応もなしか…」

水月は、ゆっくりとした動作で俺の耳元から顔を離した。

「まぁどうでもいいや。俺も人を待たせちゃってるし」


そう言って、水月はその場に居る全員に笑顔を向けた後、後ろを振り返って遠くの方へと視線を向けた。

それを追えば、1人の女性が姿勢良く立っているのが見える。
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