嘘で隠された現実(リアル)
「朱月?聴いてる?」


考え込んでいた俺は、間抜けな顔をして水月を見上げた。


「あ?ああ、悪ぃ。で、何だっけ?」


「だからぁ」

水月は、怒ったように声を荒げて近付いてきた。

「日本に戻ろうよ。自分の曲が歌われて、ヒットしてるんだよ?気にならない?」


「別に?」


「どんな人が歌ってるか‥とかも!?」


傍で水月が頭を抱えているが、本当に気にならないのだから仕方がない。

曲を作るのは楽しいが、それに誰がどんな歌詞を付け、どんなふうに歌っているのかについては、俺の知ったことではない。
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