嘘で隠された現実(リアル)
「んー、俺は何にしよ‥ってか、どれもよく判んねぇしなぁ…」


「それなら、ライジンジャーにしたら?少量のライムをジンジャエールで割ってるんだけど、シンプルだから甘くないわよ?」


星の手にある完成した作品ならぬ飲み物を、私はお礼を言って受け取った。


「そっか、ならそれにする」


「瞬輝は?」


「ピーチスノウ」


「…」

星は新たなグラスへと伸ばしかけた手を止め、瞬輝くんを見た。

「そういえば‥好きだったっけ、甘いモノ」


そうなのだ。

瞬輝くんは一見甘いモノが苦手なように見えるのだが、実際はその逆。

外食をすれば、飲み物も食べ物も甘いモノを選ぶ。


「瞬輝のヤツ、昨日は苺チョコのパフェが夕食だったんだぜ?俺も甘いもん好きだけどさぁ、さすがにマネできねぇよ…」

彗ちゃんは、気持ち悪そうに胃の辺りをさすった。


「瞬輝くん、それって絶対体に良くないよ?」


「毎日じゃない」


「えーと、毎日だったら大問題だよ…」

私は無意識に苦笑いをしていた。

「1ヶ月に何回くらいしてる?」


「2日に一回」


「…」


「瞬輝、それほぼ毎日だろ…」


ありがとう、朱月。

私を代弁して言ってくれて。

何故か声が出なかったけれど、私もそれが言いたかった。
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