嘘で隠された現実(リアル)
「それ、判る!本当によく食べるよねぇ。それでその体型なんだから、凄いよ」


感心しているとも呆れているともとれる表情で星が呟けば、彗ちゃんは得意げに胸を張った。


「だろ?俺、太りにくい体質なんだよなぁ。だからダイエットなんて無縁よ♪」


「そうね。ある意味成長がないのよねぇ。身長と一緒で」


「‥神楽ちゃん?いい加減そのネタから離れないと、たとえ神楽ちゃんであっても容赦しないわよ?」


「あら、暴力ってこと?」

星はそう問いながら、隙のない笑みを見せた。

「それなら、私は財力と権力を惜しげなく使わせてもらうわ。そうねぇ、まずは学校に圧力でもかけて‥「ごめんなさい…」」


口元を引きつらせながら謝る彗ちゃんに満足したのか、星はニッコリと微笑み、飲みかけのグラスに口を付けた。

そんな星を、悔しそうに睨む彗ちゃん。

無関心な瞬輝くん。

あくまで彗ちゃんだけに呆れ顔の響。

そんな4人の姿に込上げてくる笑いを感じたところで、私は朱月の姿が見当たらないことに気付いた。

慌てて辺りを見渡すが、私達5人以外には人影さえない。

トイレにでも行ったのだろうか?

そう思ったところで、私はバルコニーに続く窓が、僅かに開いていることに気付いた。
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