嘘で隠された現実(リアル)
私は飲み干したグラスを置くと、真新しいカップを2つ取り出し、それにホットのストロベリー・ベリーを注いだ。


「ん?どうしたの?天音」


両手にそれぞれカップを持ったところで、星は不思議そうに声を掛けてきた。


「あ‥ちょっと風にあたってこようかと思って」


「天音っち‥それって朱月のぶん?」


やましいことをしているわけでもないのに、私は何故か気まずさに目を逸らせた。


「う、うん‥夜は冷えるから…」


「そっか…」

彗ちゃんは小さく呟いて、可愛い笑みを浮かべた。

「天音っち、風邪ひかないように早めに戻ってこいよな!」


「うん、そうするね」


心配してくれる彗ちゃんに感謝をしながら、私は大きく頷いた。

けれど、彗ちゃんが向けてくれた笑顔は、可愛いのに、どこか悲しそうで‥そのことが少し気がかりだった。
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