ふたりごと〜最後の夏〜
「もういいかー?」
病室の扉の前で
座り込みながら
中の優に問い掛けた。
「もういいよ。」
「はいよ。」
片膝をつきながら
立ち上がりもう1度
扉に手を掛けた。
今度はさっきほど
冷たく感じない。
扉を開けると、
ベッドに寝てる優が
見えた。
はっきりと優を見るのが
すごく久しぶりに感じる。
「……怒ってる?」
「だって急に開けるんだもん。」
「だから悪かったって…」
「わかった。今日だけ
許してあげる。」
「ありがとな。笑」
コップに水を注ぐように…
いつしか溢れるかのように…