Be impatient
誘われて仕方なくだった。

社会での集団生活、円満な人付き合い。

どうしても私は振り払う事が出来なかった。

「嫌なら断れば良いのに。」

ヤナギさんの言葉に私は首を傾げる。

私の疑問を読み取ったヤナギさんは「誘われる度に嫌そうな顔してたから。」言ってこちらに身を乗出すと私の眉間に人差し指で軽く触れた。

「眉間に皺。」

椅子に座り体ごとヤナギさんの方に向いていた私は、突然のヤナギさんの行動に持っていたコーヒーを落としそうになった。

「親睦会の誘いを断ったぐらいで、気まずくなったりしない。」

もっともな答えを導きだしてくれたヤナギさんを、私はただ見つめていた。

頭は働かないし、体も上手くは動いてくれない。

顔の赤さなんてこれっぽっちも気にならない。

私は動揺を隠す事も出来ず、ふわふわと視線を彷徨わせる。

「じゃ、じゃあ、ヤナギさんは……出会い、求めてないんですか?」

どうにかこうにか私は口を動かす。

ドックンドックンと脈打つ音が耳の奥で聞こえる。

きっと私の心臓は今頭の中の方にあるんだ。



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