Be impatient
「・・・・・・」

本当の事を口にするのは躊躇いがある。

でも…

「言いたくないんだったら別に良いんだけど…」

残念そうなヤナギさんの声に、

「っす、好きな人はいるんです。」

本当の事を伝えたくなった。

とは言っても好きな人がいると言っただけで、ヤナギさんの事が好きだとは言えない。

「そうか。でも、それはワタナベじゃないんだ?」

ここに来てまでまだワタナベさんの名前が出る事に驚いた。

それは男同士の友情から来るものなのか。

なんだか予想外に二人の仲が良さそうで、私は次の言葉を慎重に探す。

「……あの、ワタナベさんの事は嫌いじゃないんですけど…」

ヤナギさんは少し笑みを浮かべて、私の方をジッと見ていた。



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