恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「そーいや、さっき桃ちゃんの話も出たんだよな」

「え? あたしの話ですか?」

「唐突な質問でナンだが、桃ちゃん、いま誰かいい男(ヒト)いるのかい?」

「え? なんで急にそんなこと?」

あたしには大将からの質問の意味がまったく分からなかった。

「いやなに、ヒデ坊も結婚でもして身を固める気になりゃあ、浅草に帰ってくるんじゃねぇか、って話してたんだよ」

「で、その結婚相手があたしってことですか?」

「そうとも。桃ちゃんはヒデ坊の許婚(いいなずけ)だからな。たしか、もうすぐ16歳の誕生日だろ? 16歳になりゃあ結婚だってできるんだし、どうでい? この際、結婚しちまうってぇのは」

「………」


あたしの知らないところで、そんな話になってたんだ。


でもコレってチャンス到来かも♪

ココで「フリー」だって言っちゃえば、父親公認のもと晴れておにーちゃんと交際スタートできる、ってもんだ♪


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