恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
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週が替わって、16歳の誕生日の当日、紫苑さんはあたしが今まで生きてきた中で、最大最強のプレゼントをしてくれた。
“夜の遊園地貸し切りデート”
それが彼からの誕生日プレゼントだった。
まぁ、メリーヒルズの社長御曹司の彼にしてみれば不可能なことではなかったんだけど、それでもあたしはうれしかった。
もともとメリーヒルズは夜間営業もしてたんだけど、あたしはバイトが昼間だけだから、夜のメリーヒルズって実ははじめて。
大自然の中の遊園地として、昼間は広々と解放的な雰囲気のあるメリーヒルズ。
だけど夜になると一転、漆黒の闇のベールに包み込まれ限定的な空間となり、きらびやかなイルミネーションとライトアップとで闇の中に浮かび上がる数々のアトラクションの建造物は、ニンゲンの手で作り出した人工物とは思えないほどの神秘的なオブジェの群れのようにさえ見えた。
夜空を走るジェットコースターは、まるで宇宙空間を飛んでいくスペースシップに乗ってるみたいな気分にさせてくれる。