恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~


「……って、お前、たしか同じ高校のヤツと付き合ってるんじゃなかったのか?」

「あぁ、そのこと?」


“コクったけど玉砕して、本当は付き合ってなかった”なんてイチイチ説明してやるのは面倒くさい。

それに「カレシくらいいる」って見栄をはった手前、フラれたなんてこと、クチが裂けたって言えるわけないし。


だから……、

「あんなヤツとは、もうとっくの昔に終わってるよ」

……とウソをつくあたし。


「そっか……それで今は紫苑と付き合ってるってことか……」

「うん。こないだなんか避暑地の別荘に泊めてもらったよ。プールもあって、すっごく大っきな別荘だった」

「じゃあ、お前、そのとき紫苑と……?」


おにーちゃんの問いかけに、あたしは黙ってコクンとうなずいた。

そして、そのまま顔を上げなかった。……というより、上げられなかった。
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