恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
そこはかとない後ろめたさのせいで、おにーちゃんの顔をまともに見ることができなかったからだ。
「ピンク……お前、紫苑のオモチャにされたんじゃねぇのか……?」
「遊ばれてなんてないよ……だって紫苑さん、“高校卒業したら、ボクのところに来ないか?”って……“ボクのために毎朝コーヒーを入れてほしい”って言ってくれたし……」
うつむいたままのあたしが言う。
「お、お前、ソレってもしかして……」
「そうだよ、プロポーズの言葉だよ」
「アイツ……ピンクが法律上結婚ができる16歳になったからプロポーズをしたってことか……」
「多分そうだと思う。でも、あたしのほうから返事はまだしていないよ……」
「返事なんかするこたぁねぇ。たぶんアイツ、本気で結婚しようなんて思ってねぇから」
「そんなことないよ。もしあたしのキモチが決まったときは“正式に親にあいさつしに来る”って言ってたし」
「けどよぉ、紫苑は……」
「どうしてっ?」
おにーちゃんが言おうとするのをさえぎって言うあたし。