恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「か、勘違い……全部あたしの勘違いだって言うんですかっ!?」
「だってあのときボクは、桃香ちゃんの高校卒業後の進路が決まってないって聞いたから、“それならウチの屋敷で本物のメイドさんとして働いてみないか?”って、そーいう意味で言ったつもりらったから」
「め、メイドとして雇いたかっただけなんですかっ!?」
「モチロン、そーらよ♪ やだなァ、勘違いしないれよ、桃香ちゃん♪ アハハッ♪」
紫苑さんの表情に悪びれた感じは、てんでなかった。
よく“笑顔はまわりのみんなを笑顔にする”なんて言うもんだけど、彼の笑顔があたしを笑顔にさせることはない。
笑った彼が許せない。
今この瞬間、ぶっちゃけ殺意すら抱いていたと思う。
次の瞬間……、