恋ジグザグ~“好き”と素直に言えなくて~
「少し前までは……?」
「白鳥はオレの元カノだ。元カノ。別れてもう半年以上になる」
「そっか……そーなんだ♪」
おにーちゃんのひとことで、さっきまでの作り笑顔は、ココロからのキモチを表現したリアル笑顔へと変わった。
この白鳥 舞ってヒト、今はおにーちゃんのカノジョじゃないんだァ♪
“よっしゃあーっ”とグーにした右手を後ろに引きたいくらいのキモチだった♪
「はじめまして、沢尻桃香です♪ 赤井氏がいつもお世話になってます♪」
「へぇ♪ 粗野で野蛮でガサツな英雄くんの妹分にしては、よくできたコじゃない♪」
「ボクもこんな妹が欲しいな♪ あっ、ボクも自己紹介しとくよ♪ ボクの名前は紫苑光一(しおんこういち)、センパイの後を継いで2代目レッドをやらせてもらってる♪」
「よろしくお願いします、紫苑さん」
「ねぇ、桃ちゃん♪ お昼まだだったら、これからあたしとゴハン食べに行かない? あたし、いまステージが終わったところで、おなかペッコペコなんだァ♪」