町の片隅で~ファーストストーリー~
「お母さんがお婆さんから鍵を預かったらしくてお姉ちゃんと交代で朝食を作りにくる事にしたんです。」
寝起きにややこしい話をする所が静香らしい。
理解するのに時間がかかった。
「婆ちゃんはどこまで下川家に頼れば気が済むんだ。でも、久しぶりに美味い飯が食える。んじゃいただきま~す。」
「お味はいかがですか?」
「ムグムグ…んぐっ。美味いっ!めちゃくちゃ美味い!!お前、良い嫁さんになるぞ!」
「えっ!あ…ありがとうございますぅ。」
顔を赤く染めてモジモジする静香を見てるとこっちまで恥ずかしくなってくる。
「ご馳走さん。美味かった。それじゃちょっと着替えてくるから待っててくれ。」
「あっ!はい!」
待たせる理由は無かったがまぁ、いいか。

支度を終えて家を出た。
「市原さん!ちゃんとこうして鍵をかけないとダメですよ。」
「あっ!そうだった。今度から気をつけるよ。」
まだ婆ちゃんが居ない生活にはなれないでいた。
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