町の片隅で~ファーストストーリー~
「な、なんだよ。」
ふてぶてしく言い放つ。
「市原さん!髭ジィはまだ亡くなってませんよ。確かに髭ジィはこのお墓の事をいつも気にしてます。今でもお見舞いに行くとお墓の話ばかりです。でも、私達が中学生の時からずっと病院で寝たきりなんです。」
「ねぇ、真也。本当の事を話してよ。あんたが何を見て何を聞いたかをさぁ。」
「そうだな。実は…」
俺は正直に話した。
部屋で見たこと、そこで感じたこと、風呂場で何があって何を聞かされたかも全部。
「だから、俺は髭ジィが死んだものだと思い込んでたんだ。お前らは怖がりだから話したくなかった。安らげるはずの家で怯えて暮らして欲しくないと思ったから…。」
「アハ…アハハハッ!まだ幽霊は怖いけど、髭ジィなら少しマシかもね。」
「うん。いつもは厳しい人だけど、生き霊となってまでも私達の事を気にしてくれてるんだね。」
「家族ってそんなもんだろ。本当に愛してるならどこに居ても気に掛けてるもんさ。家族と呼べる人が居ない者からすると、羨ましく思うだろうな。さぁ、墓掃除終わらせようぜ。」
家族……か。
俺もいつかは自分の家族を作るんだろな。
ふてぶてしく言い放つ。
「市原さん!髭ジィはまだ亡くなってませんよ。確かに髭ジィはこのお墓の事をいつも気にしてます。今でもお見舞いに行くとお墓の話ばかりです。でも、私達が中学生の時からずっと病院で寝たきりなんです。」
「ねぇ、真也。本当の事を話してよ。あんたが何を見て何を聞いたかをさぁ。」
「そうだな。実は…」
俺は正直に話した。
部屋で見たこと、そこで感じたこと、風呂場で何があって何を聞かされたかも全部。
「だから、俺は髭ジィが死んだものだと思い込んでたんだ。お前らは怖がりだから話したくなかった。安らげるはずの家で怯えて暮らして欲しくないと思ったから…。」
「アハ…アハハハッ!まだ幽霊は怖いけど、髭ジィなら少しマシかもね。」
「うん。いつもは厳しい人だけど、生き霊となってまでも私達の事を気にしてくれてるんだね。」
「家族ってそんなもんだろ。本当に愛してるならどこに居ても気に掛けてるもんさ。家族と呼べる人が居ない者からすると、羨ましく思うだろうな。さぁ、墓掃除終わらせようぜ。」
家族……か。
俺もいつかは自分の家族を作るんだろな。