学園(序)
「見てましたよ。でも、龍先輩のは確認だけでしょ?吟ネエは笹原先輩を弄る口実を見つけただけだと思いますよ」

あの状況で愛云々があるとは思えないけどな。

「そこに隠された乙女のハート!丞君は読み取れなかったのかな?」

「人の気持ちを都合よく変換したくないんですよ」

「あはははは!自信なさすぎ!丞君って臆病なんだ!」

「慎重と言って下さいよ」

「あ!着いたよ!」

聞いちゃいねえ。

笹原先輩みたいに、自分の都合の良いよう頭の中で変換してみたいよ。

そしたら、もっと前へ進む事が出来るのだろうか?

いや、自信過剰は事故の元。

足元をすくわれることになる。

笹原先輩のキャラだからこそ、許される芸当なんだよな。

俺だって、臆病でも出来る事はやっておきたいところだ。

先輩と共に、吟ネエと共に。

さすれば、自ずと答えも出てくるだろう。

どっちが本当に好きなのか。

でも、問題はあるんだ。

龍先輩の閨閥結婚、吟ネエの誰にでも身体を許す性質。

あまりフラフラしていると、知らぬ内に高井教師の言う通りになってしまうだろう。

やっぱり駄目だ。

教師の言葉が気になって、二人と共に順番交代で行動を共にするなんて出来ない。

ハーレムエンドなんて夢のような話、あるわけないんだ。

今日、二つのプレゼントを、どっちに渡すか決めよう。

それから、行動を考えれば良い。

「丞君、どーしたの?」

皆との距離が少し間ところで、笹原先輩が心配しそうな顔をしてこちらを見ている。

人を心配するなんて、先輩にしちゃ珍しいな。

「もしかして!」

「え?」

「漏らしたの?」

「あるわけないでしょ」
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