学園(序)
いい加減、立ち止まっていても仕方がないので後に続いた。

カラオケBOXの中は、どこにでもあるような所であった。

カウンターで笹原先輩が名前を書いて、店員から部屋番号の書いたプレートと空のコップを渡される。

ここは飲み放題の店で、カウンターの近くにはドリンクバーがついている。

「酒はないアルか?」

「あるけど、頼めないよ」

「むー」

龍先輩の真似をしつつも、乾の近くに寄っていく。

「ワラワのためにお酒を頼むのじゃ」

「推して断る」

毅然とした態度で断りながらも、壮健美茶を入れる乾。

「ワラワがそのような事を言うはずがなかろう」

半ば呆れ気味な態度で、アイスティーを入れる龍先輩。

「あはははは!吟ちゃんってませてるー!」

自分には関係ないという態度で、オレンジジュースを入れる笹原先輩。

「つまらんアル」

吟ネエは渋々な態度でコーラを入れて、我慢することとなった。

「家で鱈腹飲んでるんだからいいじゃないか」

ちなみに、俺はメロンソーダである。

部屋番号は29であり、広めの部屋だった。

さすがに五人で二人の部屋を用意されてはたまったものではない。

席は画面近くの左右に笹原先輩と吟ネエ、龍先輩と俺となった。

今日は初めて吟ネエの隣になったような気がする。

家から出た時以外は、龍先輩達だったもんな。

乾は少し離れた位置に座っており、静観するつもりみたいだ。

一息つくかと思いきや、笹原先輩が器械を取って歌を検索入力していた。

自分で行きたいと言っていただけあって、歌おうとするのも最速である。

このメンツなら、笹原先輩が一番になっても文句は言わないだろう。

しばらくして画面に出てきたのは、『-NAGI-』というタイトルであった。
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