ラブ・スーパーノヴァ
目が覚めると、倫は布団の中だった。

キヨが心配そうに手を握り締め、覗き込んでいた。

「キヨちゃん・・・」

「悪かったねえ。やっぱりお前さんには・・・話すべきじゃなかったかも知れないよ。」

キヨが落ち込んで表情を暗くした。

倫はそんなキヨを見るのは初めてだった。

きっと倫が意識を失っている間にとても後悔していたのだろう。

「ううん・・・話してくれて、ありがとう。」

しかし、キヨから聞いた話は予想以上に衝撃的だった。

「私・・・お父さんのことは何も知らなかった。

知らないでいいと思ってきた。

でもそれは、お父さんとお母さんがちゃんと愛し合って、望まれて生まれてきたんだって、勝手に信じてたからなんだね・・・。」

倫はたまらず涙を流した。

キヨと祖父との愛の話を聞いて、てっきり自分も愛し合った二人の間から生まれてきたのだと信じて疑わなかった。

「倫・・・それは違うよ。望まれてなかったなんて、それは違う。

あの子は苦しんだけど、お前を生むことだけは決めてたんだ。

あたしだって、九条のじいさんは憎かったよ。けど、お前が生まれてきたことはそれとは別だ。

お前さんがいたからこれまで生きてこれたんだよ。それだけは疑ったらだめだ。」

倫は唇をかんで泣いた。

嘘だ!だって!でも・・・!

無理やり体を奪われて出来た子だなんて・・・!

愛せるわけないじゃない・・・!

「あたしには痛いほどあの子の気持ちがわかったよ。

何があってもお腹の子だけは産んで育てる。

お前さんにはまだわからないかもしれないけどね・・・母親ってのはそういうもんさ。

お腹の中で動く子は、無条件で可愛いんだよ。」

倫はとてもその言葉を信じることができなかった。

しかし、自分で望んで聞いた生い立ちだった。

いや、そもそも自分の出生についてまともに知らずにいたことが不自然なことだったのだ。
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