流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「すまんすまん、で?童はどこからきたのだ?」

聞かれて、幸姫は自分の歩いてきた方を指差して答えた。

「あっち」

指差す方を見て、男は眉をひそめた。

「あっち、だと?」

聞かれて、幸姫はこくんと頷く。怪訝そうな表情で、男は続けた。

「あっちには、村も何もなかったはずだが、本当にあっちなのか?」

聞かれてまた、幸姫はこくんと頷く。ふむ、と、男は顎に手をあてて少し考えると、よし、と言って、幸姫と同じ目線までしゃがんで言った。

「俺が家まで送ってやろう」

が、幸姫はその申し出を、ぶんぶんと首を横にふって断った。
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