流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
どうしてゆきむらはパパじゃないの?
どうして…

「…パパ……」

小さく呟く幸姫に、少しだけ、困ったような表情を浮かべる。


本当のことは告げてはならぬ。
俺も、幸姫も。

お互い、他人のままでいた方がいい。


「…すまぬ」

小さく呟く幸村に、幸姫は体を少しだけ震わせた。


パパはどこにもいないんだ。
どんなにおねがいしたって、かないっこないんだ。



幸村の腕を振り払うように、幸姫は体をふり、降りた。

「…かえる」

小さく呟き、涙を必死でこらえながら、家まで走った。
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