流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「はい!到着」

坂を上りきったところで、人力車が止まった。目の前には大きな神社が見える。

「ここどこ?」

幸姫はお兄さんに抱き下ろされると、不思議そうな顔をして、お兄さんに聞いた。

「ここはね、清水寺って言って、有名なお寺なんだよ。縁結びが有名でね…って、おじょうちゃんにはまだ少し早いか」

そう言って笑うお兄さん。幸姫は、よくわからなかったが、とりあえずお兄さんが笑っていたので笑った。

「幸姫、一緒に写真とってもらおうか」

後ろから玲子の声がした。幸姫はうん!と頷くと、お兄さんと手をつないで、白い人力車の前に立った。

「え?俺が撮るんじゃないんですか?」

幸姫の行動に、思わず驚くお兄さんだったが、玲子はくすくすと笑いながら答えた。

「いえいえ、できれば幸姫と一緒に、写真に入ってもらっていいですか?」

玲子の言葉に、少し照れくさそうに笑いながら、お兄さんは幸姫の方を見た。幸姫はにっこりと笑う。

「それじゃぁ…」

そう言うと、お兄さんは幸姫を抱き上げて、カメラの方に向いた。幸姫も嬉しそうに、カメラに向かった。

「はいそれじぁ…はい、チーズ」

カシャっという音と共に、幸姫とお兄さんは、カメラの中に納まった。
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