月の雫 -君と歩む彼方への道-
ぼぅっと白く光る無数の光の玉は、ものすごい勢いで、オレたちの体を通り過ぎていく。

通り過ぎるその瞬間に、ぶわっと映像が見えた。

映像とともに、レイジュラの記憶と感情が一気にオレの中になだれ込む。


(うわ……)


光の玉が持っている情報は、一瞬にしてコピーされ、どんどんオレの中に取り込まれていく。


(す、すごい……)



これは――



ルカの記憶をかいま見たとか、そんなのとは次元が違う。


存在そのもののコピーだ。




「……おい、シルヴィ」


オレは激しい衝撃を受けながら、シルヴァイラに話しかけていた。


「おまえいつもこんな体験してたのか」

「……まぁな」

「すごいな、これ」

「……ちなみにおまえの記憶も全部知ってる」

「なな何だって!?」


あせるオレに、シルヴァイラはほんのちょっぴり、いたずらっぽく微笑んだ。


「おまえ、いたずらばっかりしてただろ」


「……」
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