月の雫 -君と歩む彼方への道-
「レイジュラ……おまえ……」

「何だ、もう終わりか?」


頬に薄い笑みを浮かべると、レイジュラはまたさっと手をあげた。


バリバリバリ……

激しい雷鳴がとどろいて、オレの上に太い雷が落ちる。



(うわ……)


電流を何とか地面に流して、感電を避けた。



(すげえな……)


すさまじいパワーだ。

マジで殺す気かよ。



オレはすでに息が上がっていたけど、呼吸の合間に必死でレイジュラに語りかけた。



「こんなことはやめろ、レイジュラ。

あんたの持ってる苦悩はよくわかる。


そこかから抜け出すすべはあるんだよ。

今のあんたは、片方にフタをされてるために、違う穴から何かが漏れてる、そんな状態なんだ」
< 246 / 288 >

この作品をシェア

pagetop