月の雫 -君と歩む彼方への道-
乱れた髪をなでつけて、荒い息が静まると、金色の鋭い瞳がじろりとオレを見た。


「……勝手に人のスペースに入ってくるな」


とげとげしい声。



まったく、そう言うと思ったよ。


オレは内心ため息をつく。

まぁ感謝しろとまでは言わないけどな。



「おまえ、ひどくうなされてたんだ。

隣で人がうなされてたら、眠れないだろ」

「……」


無言でオレをにらみつけるシルヴァイラの細い肩を何気なく見ていた。
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