月の雫 -君と歩む彼方への道-
まあ、はた目には面白いのかもしれないな。

でも、オレの身にもなってくれ。


オレはひとりごちた。




――そんなに興味があるんならさ。

どうせなら、レイジュラが面倒を見ればいいのに。


レイジュラなら第1階級だ。

どうして第5階級のオレが、格上のやつの世話をちょこまかと焼かないといけない?


それに、レイジュラは大人だ。

あの冷血不機嫌野郎を、きっとうまく扱える。



そんなオレの葛藤を知ってか知らずか。

レイジュラは無言でフッと笑うと、金の衣をさらさら言わせて、廊下を歩いていってしまった。

< 42 / 288 >

この作品をシェア

pagetop