月の雫 -君と歩む彼方への道-
「……」


シルヴァイラは聞いているのかいないのか、そっぽを向いたままだ。


「ぺアはお互いの信頼が大事なんだよ。

じゃないと下手すりゃ命とりだ。

だから、オレをそんなに遠ざけようとするなよ。


できれば、何でも話してほしいんだ。

何を思い、何を考えているのか、知りたいんだよ」



無言でオレを拒絶する細い背中に向かって、そんなことをくどくど言いながら。

オレは気づいてた。



――ペアって、本当にそんなものなのか?


レイジュラとはペアだったけど、さらっとした仲で、お互いのことにはそれほど干渉しなかった。

それでもうまくいっていたんだ。
< 54 / 288 >

この作品をシェア

pagetop