ハンカチ落としましたよ

奇遇の連続1

「本当ですね。」

彼女は微笑んでいた。

なんだろう
この余裕は・・・。

タカシの心はますます
不思議に渦巻いた。

なにか不思議な
感覚を持った
この女性・・・。

もっと彼女のことを
知りたいと
タカシは思った。

思わず

「実は今日から2泊、
京都に泊まるんです」

と言ってしまった。

(なにを言っているんだ
おれは!)


「ああ・・・
そうなんですか?
実は私も今日から
2泊するんですよ。」
と彼女。



あまりの偶然、
それもハンカチの偶然から、
京都2泊の偶然。



これはまさに
ストーカーではないのか?




でも、
ストーカーのような
恐怖感や、不安感が
ないのが不思議であって、
なんとなく彼女とは
以前からの知り合いの
ような感覚を覚える・・・。



なんだろう、
こうなんて言うか、
やすらぐっていうか。

「京都駅前の
○○ホテルなんです」

って彼女がいう。



(それは私が
前の彼女のために
奮発した、まさに
今回泊まるホテルではないか)


「ええ??」

って言ってしまった。

同じホテルだったのか・・・。

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