ハンカチ落としましたよ

妻との出会いもまた・・・

不思議な出会いだった。


うそのような話だが、
北海道函館に
旅行に行った時に、
元町で

ハンカチを拾って
渡したところから始まる。


「あの~落としましたよ」
とハンカチを渡した。



「あ、すみませんでした」
と言う言葉を聞いて
その場はそのまま立ち去った。


特に美人でも、
スタイルが
良かったわけでも
なかったので、
そのことは
すっかり忘れていた。



それから数年後、
東京渋谷から
明治神宮に向かう道で、
ハンカチを
落とした女性がいたので

「あの~落としましたよ」

とハンカチを渡した。

「あ、すみませんでした」

という言葉を聞いた。


あれ?





これはデジャヴーなのかな?

と思ったが、
相手も複数、
こちらも複数だったので、


またそのままそれ以降
声もかけずに
そのまま立ち去った。



(確か、あの人
前にも会っていたような
気がする)

と思っていたが、

まさかハンカチの
女性だとは
思っていなかった。




それまでの
数年間の間に、
タカシは
お付き合い
した人もいたが、

ハンカチを拾うときは、
なぜかその前に
彼女と別れて
一人の時に
限られたのである。




「おれは、ハンカチを
拾うときはいつも
彼女がいないから
ついてないなあ」
と思っていたのである。



本当にタイミングよく、
過去に2回
ハンカチを拾ったが、
2回とも
彼女と
別れた後なのであった。





「ハンカチ=ついていない」

と思っていたのである。





そのまた数年後、
タカシは
今度京都にいた。


それまで
彼女は出来ていたが、
京都に一緒に
行こうかな?

と思ったすぐ後に、
彼女と別れてしまった。

それも、今回は
気合を入れて、
2人分の
新幹線のチケットと
ちょっと高級な部屋を
予約したのにである。


キャンセルも出来たが、
なぜか京都に
行きたい気持ちは
抑え切れなかった。
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