オレンジジュース《短》

やたら愛想のいい店員の声に迎えられ、何故だか胸がきゅうっと締め付けられるのを感じつつ何を買う目的もないまま、店内を歩く。

お菓子コーナーを通り過ぎ、文具が並ぶ棚の前にくる。

そういえばシャープペンシルの芯が切れていたな、なんてどうでもいいことを思い出し、3Bの芯を手に取った。

すっぽりと掌に収まる淡いブルーのケースを握り締めたまま、ぐるりと店内を見渡す。

目に留まったのは、カラフルなボトルが並ぶ飲料棚。

鮮やかなオレンジが自棄に目について、気付けば足を前に出し、手を伸ばしていた。

よく冷えたそれを手に取り、ラベルを見る。

今朝CMで見た、100パーセントのオレンジジュースだった。

ここにきてもオレンジジュースか、と笑いが漏れたが





……もう、何でもよかった。








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