月と太陽
サスティンは呪文を唱え、薪がつんであるところに手を向けた。耳につけてあるピアスが一瞬キラリと光る。


そして手から火の玉が出て薪が積まれているところに火がついた。


三人はその焚き火を取り囲むようなして座ると荷物を下ろした。


とりあえず今日は野宿だ。


「持ってきた物は、数日分の食料と月の地図、ロープ、そしてそれぞれの武器ぐらいでしょう?全部の町村をまわるのなら数日分の食料だけじゃたりないわ」


最初に口を開いたのはフェリアだった。フェリアはそう言ってあとの二人の顔を見た。


「確かにな。とりあえず城の区域は出た。とにかく今は城で立てた計画通り一番近い“サーラの街”に行くべきだろう。随分お金もツェーラ大臣が用意してくれたのだから」


とサスティン。


その言葉に二人はゆっくりと頷く。
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