執行猶予3年
みんな知っていて、
大丈夫?
とか、
WさんとかK君はからかってたけど。
みんな心配してた。
寒いんじゃないかって、
上着を差し出してきて、
俺は仕方なくそれを持って行った。
俺は、
ぶっちゃけ行きたくなかった。
それで、
玄関の扉を開けて、
見たくないものを見た。
雨粒みたいなやつ。
ほっぺたに、
くっついては落ちて。
俺は何気ない顔して、
ドアを閉めた。
心臓が家出する。どきどきどきどき。
そのあとどうやってその宴会が閉められたか、
覚えてない。
朝に、なんかだらけて、
誰かを送って、
誰かと帰った。
あ、マックのなんか食ったな…。
それはそれで、
通り雨のように、
過ぎて行った。
みんな何でもないかのような顔して、
電車に揺られて、
変わる車窓を見てた。
ころころ変わる、
人の感情のようにも思えた。
ただ無機質なだけの、
コンクリートの街並み。
それがむなしく感じない。
濁った空も、
心地よい。