初恋のキミへ。
今日も未波は相変わらず、外を眺めている。
最近、話しかけても返事がない。
それが寂しいと言えば、間違いではないが、仕方ないんだと言い聞かせながら、俺は話しかけることをやめなかった。
やめてしまえば、未波との繋がりがなくなりそうで怖かったんだ…。
「今日も天気いいな。寒くないか?」
「…………」
返事がないのにはもう慣れたつもりだ。
「もうすぐ学校だな。
最後くらい一緒のクラスがいいよな?」
「…………」
だけどやっぱり寂しいな…
無表情の上に、無言だしな。
声が聞きたい……
笑顔が見たい……
「…ねぇ?」
久しぶりに未波が口を開いた。
だけど目線は外に向いていた。
それでも声が聞けただけで、俺は嬉しさが込み上げる。