初恋のキミへ。


今日も未波は相変わらず、外を眺めている。

最近、話しかけても返事がない。


それが寂しいと言えば、間違いではないが、仕方ないんだと言い聞かせながら、俺は話しかけることをやめなかった。


やめてしまえば、未波との繋がりがなくなりそうで怖かったんだ…。


「今日も天気いいな。寒くないか?」


「…………」


返事がないのにはもう慣れたつもりだ。


「もうすぐ学校だな。
最後くらい一緒のクラスがいいよな?」


「…………」


だけどやっぱり寂しいな…
無表情の上に、無言だしな。

声が聞きたい……

笑顔が見たい……


「…ねぇ?」


久しぶりに未波が口を開いた。
だけど目線は外に向いていた。
それでも声が聞けただけで、俺は嬉しさが込み上げる。
< 144 / 227 >

この作品をシェア

pagetop