初恋のキミへ。
「きみ、転校生?」
タケがその女に話しかけた。
一人は顔を赤らめてびっくりしていたが
例の転校生は全くの無表情。
それから名前を教えた。
まさか俺らの名前を知らないなんて思わなかった。
まぁ来たばっかなら知るわけねぇか…
そう思いながら彼女の名前を聞いた。
「早川です。」
思わず笑いが出そうになった。
普通下の名前言うだろ?
「下だよ!下」
「…未波」
その女は未波というらしい。
それにしても俺たちが話しかけてるっつーのに無表情だ。普通なら隣の子みたいに顔赤らめたり恥ずかしがったりすんだけど…
どーや等この女は俺たちを見てもどーも思わないらしい。
"おもしれぇ"
「未波…ね。俺の名前よく覚えてろよ」
「忘れると思います」
そんなこと言われたのは初めてだった。
俺はこの時初めて自分から女に興味をもった。
"ぜってー落とす"
そう思いながら隣の子の名前を聞いた。
桃花という女は普通の反応だ。
いや当たり前の反応って言った方がいいか。
"面白くなりそうだ"
そう思いながらそいつらの前から去る。
「またね?み な み」
そう言い残して。