初恋のキミへ。

旅立ちのとき



1月1日。元旦。

未波が旅立つまであと8日…


今は未波と初詣にきてる。

未波の着物姿を見たのは初めてで、やっぱり見惚れてしまう。

とことん未波に惚れてるんだと気づかされる。


「やっぱり人多いね?」


「そうだな。なにお願いした?」


「ん〜秘密。言ったら効き目なくなりそうだし」


「じゃあ俺も内緒。御守り買おうか」


「うん」


俺は未波の手をしっかり握りしめ、御守りが売られている場所に行った。


「未波がちゃんと治るように、俺がこれ買う」


言いながら手にとったのは、願いが叶う御守り。

ここにしか売ってないようで、来たら絶対買うって決めていた。


「じゃあ、あたしは元輝が幸せになるように、これ買うね」


未波が手に取ったのは、幸福が訪れる御守りだった。
< 191 / 227 >

この作品をシェア

pagetop