初恋のキミへ。


「絵馬書きたいから、ちょっと待ってて?すぐ戻るから」


そう言って俺の返事も聞かずに足早に向こう側へ行ってしまった。

その姿に少し寂しくなった。

未波が戻ってきたのは15分くらいしてだった。


「なに書いたんだ?」


「内緒。帰ろっか?」


そう言って俺の手を取り引っ張った。


「…見にきてやるからな」


「駄目だよ!あ…でも、もしあたしが2年経っても帰ってこなかったら…その時は見てもいいかな。だけどそれまで絶対駄目だからね」


「…分かった」


未波は家に着くまで頑なに駄目だからと言い張っていた。

言われれば言われるほど気になるけれど、見ないと約束した。

2年経っても帰ってこなかったら………

どうしてそう言ったのか、今の俺には理解できなかった。
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