初恋のキミへ。
―――卒業式当日――
俺たちはようやく長い大学生活に終止符をうつ。
弥生ともそれなりに仲良くやってきた。
俺は今、式の後でタケと2人で教室に残っている。
「あっという間だったな」
名残惜しそうに呟くタケ。
「だな。お前は結婚か」
「まあな。まだいつ式あげるか決めてないけど…
桃香がさ………
未波ちゃんには絶対見てもらいたいらしい。
いつ帰ってくるんだろうな。
まあお前には弥生ちゃんいるし……
……ちゃんと好きになれたか?」
そう心配そうに聞いてくる。
「付き合い始めよりは好きだよ。
………お前には本当のこと言おうかな」
「なんだ?」
「俺は………やっぱり未波を思い出になんかできねえ。
弥生と付き合うって決めといて…期待持たせといて最低だけど。
やっぱ……待ってる自分がいるんだよ。
未波は望んでないのにな」
言いながらため息をついた。
タケはどこか神妙な表情で口を開いた。