初恋のキミへ。
「本当良かったね未波!」
「うん。ありがとね」
「未波ちゃん…モトには会わないのか?」
あたしは少し俯き、また顔をあげ真っ直ぐタケくんを見て答えた。
「うん。そのつもり」
「どうして?」
桃香は黙ったままでタケくんは続けた。
「今、幸せなんだよね?
あたしはそれを望んだんだもん。
今あたしがあの人の前に現れでもしたら…彼女がよく思わないでしょ?」
「…未波ちゃん、モトは未波ちゃんが帰ってくるって聞いてすげー戸惑ってた。
彼女とは最近付き合い出したばっかでさ。
あいつはまだ未波ちゃんを忘れられてないはずなんだ」
「そっか…あたしが遅すぎちゃったんだね」
「それってどういうこと?」
あたしは少し黙り、深呼吸をしてから話し始める。