初恋のキミへ。
「桃花ちゃん!未波は?」
「あっ元輝くん!未波は寝坊だって。」
「そっか。さんきゅ」
お礼を言い教室に戻ろうとした。
「あのっ!」
桃花ちゃんに呼び止められて振り返る。
「…未波のこと…本気なの?」
「…どーかな」
「未波…忘れられない人がいるらしいの。
だから遊びだとしても
きっといくら元輝くんでも無理だと思う」
「そんなのやってみなきゃ分かんねぇだろ?」
「…未波を傷つけることはやめてね」
「肝に銘じとくよ」
そう言って教室に戻った。
"忘れられねぇ奴…か"
その言葉を聞いてまた胸が痛んだ。
そいつがどんな奴なのか…
そいつと付き合っていたのか…
そいつには笑いかけていたのか…
俺はそればかりが気にかかった。
"そいつには俺みたいな態度は
取らねんだろうな。"
そう思うとイライラした。
俺は…未波が好きなのか?