初恋のキミへ。
いや…そんなはずはない。
ただ俺に惚れないことが
珍しくて向きになってるだけだ。
今まで本気で好きになった女なんか
いない俺には有り得ない。
そう自分に言い聞かした。
「おはよ〜モトっ」
そう挨拶してきたのは奈美だった。
こいつとも関係を持った仲だ。
「はよ」
いつもより素っ気なく返す。
「まぢ最近付き合い悪すぎしゃない?
みんな言ってるよ?
早川ってこが好きなの?」
「は?」
「昨日帰ったんでしょ?
しかも迎えに行ったらしいじゃん。」
「別に。お前に関係ねぇだろ」
「そうだけど…
気になるに決まってんじゃん」
「俺の言ったこと覚えてねぇの?
干渉すんなっつったろ。」
「…じゃあ今日相手してくれる?」
「気分じゃねぇ」
「亜美は抱いたくせに?」
「あいつが勝手に来ただけだ」
「じゃあ私も勝手に行く」
「くんな。来たら二度と相手にしねぇ」
「なによ…もう知らない」
そう言い残して俺の前から去っていった。
初めてこんな風に拒んだ。
それは自分でもびっくりした。
だけどもう、頭はあいつのことでいっぱいで
それどころじゃなかったんだ。
"まぢどーしたんだ俺…"
そして俺は心の中で決心した。
あいつに会えば自分の気持ちに
気づけるかもしれない。
俺はあいつが来るのを待った。
あいつが来たのは3限目が始まる前だった。
だから俺は昼休みにあいつの元へ行くことにした。