初恋のキミへ。

ドレス姿に要注意



今日は朝からタケと屋上にいる。


「なぁタケ。」


俺は煙草を吸いながらタケに話し掛けた。


「ん〜?」


携帯をいじりながらそう聞くタケ。


「俺、未波のこと本気になったわ」


俺がそう言うと、びっくりしたのか
携帯から目を離して俺を見た。


「はっ?!本気?!」


「あぁ。」


「そーか。まぁ予想はできてたけど」


「なんでだよ」


「未波ちゃんを見るお前の目は
いつも優しいからな」


「そうか?」


「おう。けど遊びの女は?
簡単に引くわけねぇよな」


煙草に火をつけ、俺に問いかける。


「全部切った。まぁ無理矢理だけどな。
今になって後悔したよ」


「まじかよ?!あのお前が?
槍でも降るんじゃね?」


「うっせーよ。」


「まぁ未波ちゃんになら、
本気にならないこともないな」


「けどあいつ、全然相手にしてくんねぇの」


「お前にとっちゃ嬉しいことなんだろ?
他の女とは違うんだし。
でも未波ちゃんは無理だと思うぜ?」


「まだ分かんねぇよ。
あ、お前桃花の携帯知ってるか?」


「あぁ、この前聞いた。
それがどーかしたか?」


煙草の火を消して俺を見た。


「未波の携帯こっそり聞いてくれよ」


「はっ?お前知らねえのかよ」


「教えてくれねんだよ」


「くくくっ!
あの元輝が一人の女の携帯手に入れるのに苦戦するなんて前代未聞だな」


「うるせー。頼んだぞ」


「へぇへぇ。」


そう答えるタケは少しにやけながら俺を見てしまいには笑い出した。

まぁ女一人にここまで苦戦してる俺は初めてだからな。

俺は笑ってるタケをほったらかして屋上を出ようとした。


「待てよ!怒んなって!
ちゃんと調べといてやるからよ」


「…おぉ。」


そして2人で教室に戻った。
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