初恋のキミへ。

想いが通じるとき



7月中旬。もうすぐ夏休み。

その前に未波と付き合えたら…なんて考えを働かせながら授業を受ける。

あの件があってから、俺と未波は前より随分仲良くなった。

未波のことを考えてると授業はあっという間に終わった。


「モト〜中庭いこーぜ」


「おぉ。」


タケと俺はいつもの中庭に来た。

そこにはいつもの2人の姿がある。


「タケ!」


桃香ちゃんがタケを呼んだ。
でもいつもなら君付けなのに今日は違った…まさか?


「桃香!あっ、モト、俺桃香と付き合うことにしたから」


予感的中。

先を越され、少し羨ましく思ったけどタケの幸せそうな顔を見て俺まで嬉しくなった。


「大事にしろよ」


「当たり前じゃん!」


「タケくん、桃香のことよろしくね?
傷つけたら私が変わりに殴るから」


「…はい。肝に銘じときます。」


未波が桃香ちゃんを想う気持ちは未波の顔を見れば分かる。

いつも大事そうに優しく笑いかけているから。

俺には見せない優しい笑顔で。

いや、桃香ちゃんだからそんな風に笑うのかもしれない。

そんな未波を俺は微笑ましく見つめた。
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