初恋のキミへ。
「…本当はモトって呼ばれた時、不安になったの。
だから少し確かめたかっただけ。
そう言ってくれて安心した」
そして未波は笑顔になる。
俺の所為で不安にさせてしまったことに苛立ったけれど、そんな一面を見れて、また未波を好きになった。
「不安がることなんかない。
俺はお前しか見てねぇから。」
「うん。ごめんね。元輝を信じる。」
「もしまた不安になったらちゃんと言え。
何回でもお前を安心させてやるから」
「…そういうとこ好きだよ。」
「はっ?いきなりなんだよ」
「元輝は無意識なのかもしれないけど、
いつも私を安心させてくれる言葉をくれるから。
元輝のそういうとこに惚れたんだと思う。」
単純に嬉しかった。
俺の言葉で安心してくれていたことに。
未波は、本当に俺を内面から見ていてくれていたんだと思えたから。
「早く食べないと冷める」
「照れた?
そういうとこも好きだよ。」
「…っ」
「ふふっ。」
未波がくれる好きという言葉に俺も安心できる。
好きと言われることには慣れているはずなのに、未波から言われるとそんな俺はどこかにいってしまう。
もっと俺を好きだと言ってほしい。
初めてそう思える。…未波だから。