初恋のキミへ。
昼飯を食べ終わり、今は俺の家でくつろいでいた。
「今日、何時までに帰ればいい?」
できればこのまま泊まって行ってほしいところだ。
未波と離れるだけで、俺は寂しいと感じる。
「今日もみんな帰ってくるの遅いから大丈夫だよ」
「……泊まってく?」
「…いいの?」
まさかそう聞かれるとは思わなかった。
そんなこと聞かなくてもいいに決まってる。
「お前が大丈夫なら泊まってけよ」
「ん〜…じゃあそうする。」
「まぢ?!」
女が泊まることなんて日常茶飯事だった。今までならこんなこと聞かずに勝手に泊まっていく女が多少うざかった。
だけど未波は違う。
聞かなければ泊まっていくことはない。
初めて未波と一緒に朝を迎えられることに嬉しさがこみ上げた。
「一緒にいたいもん。」
ほら、そうやって俺を喜ばせる言葉を投げかけてくれる。
「俺も。風呂入る?」
「元輝が先に入りなよ。」
「…一緒に入ろーか。」
「無理無理!入ってきて!」
そう言って顔を赤らめる未波。
どこまでも可愛い未波。
だから少し苛めたくなる。
「いいじゃねぇか。」
「…恥ずかしいから駄目」
「入りたいっつっても?」
俺がそう言うとまた恥ずかしそうに拒む。
「駄目!無理!入ってきて」
そんな未波を見ると顔が緩んでしまう。
「照れてやんの。入ってくる」
俺は立ち上がり、風呂に入った。
未波と一緒にいれると思うと幸せで仕方ない。
今日は手を繋いで寝るんだ。
俺はそう決めて体を洗い、風呂場を後にした。