太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
「徹夜ぁ?
俺のは基本、やっつけ仕事だから、そうでもねえよ。」

忠志は長い長い睡眠を棚に上げて、優しく最小限な嘘をついた。

「ありがとう、ね。」

そう言った私の目の前に広がる窓辺に立ち、太陽を浴びる忠志の背中が、光を遮る。

その後ろで、私は朝が来てもいつまでも鳴けない小鳥みたいに、その背中の落とす影の中で足を抱えて頼りなく座っている。


忠志はクルリと振り向き、

「風呂。入ってねえや。」

そう言って、ズンズンと私の前を横切る。


忠志の背中が去った、窓。一月の太陽が私を険しく見ている。


私は忠志が開けた窓をそっと閉め、幾重に編み込んだ白糸の重なる、少し厚みのあるレースのカーテンを二重にして閉めた。

カーテンは全部で三つ。

中のレースのカーテンは工夫して二枚取りつけた。

私の窓は、三枚のアンバランスな数のカーテンが所在無く揺れる。

一枚のレースより太陽が透けなくて、綺麗。


一月四日。六時三十七分。

枕元に転がる、携帯の待ち受け画面が目に入った。




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