太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
元の銀色が鉛色に変色しつつある、私の三年使っている携帯電話。

その隣には、私が笹木先生の電話を受けてから、ずっと疑問という私の掌から伝わる圧力で握りしめ、柔らかい温度を持った綿菓子みたいに、微かに曲がっているハガキ。

年賀状。

昨日届いたにもかかわらずに、もうすでにくたびれ始めている。


私はまた飽きもせずにそっと年賀状を握った。


年賀状を握り、包む私の小さな手。

昔から血管が浮き出ている。

その血管は森を通る小川の様にただ静寂に流れ、広がる。


その青白い自分の手を見つめた。



『アンタの手、血管が生きてるみたいだね。

ゴウゴウ音の鳴る、川みたいだ。


よく自分でも見てみ、ホラ、白くて綺麗な女らしい手だ。

これで優しいモノを包むんだ。そうやって生きてけ。』


バアちゃん。


行こう。
行ってみよう。



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