太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
私は赤い水玉のパジャマを脱ぎ捨て着替えた。
忠志に見えない様に福島に持っていく鞄の中へ、年賀状をそっと詰める。
窓から差す朝の光を無防備に眺めながら、忠志はただ聞き訳の良い子供の様に、膝を抱えてストーブの前に座り込んだ。
そして『お前、言いだしたら聞かねえからな』と小さく笑った。
忠志は諦めた様に、私を東京駅の新幹線ホームまで見送ってくれた。
午前九時二十三分発。
もうお正月四日にもなって、東北新幹線に乗り込む乗客も少ない。
太陽はホームに並んだ私と忠志の斜め上から、何度も何度も私達を見下ろす様に、向かいに入って来る新幹線に時折反射しながら光を放つ。
向かいのホーム。
東京着。
東京へ戻って来る人々は、その太陽の光の中で皆、大きな袋や荷物を抱え、何やら楽しげに新幹線から降りて来るのが見えた。
「バアちゃんに聞きたい事って、何だよ。
言いたくねえならいいけどさ。」
忠志は視線を正面に向けたまま、そう私に聞いた。
「会議資料完璧だったよ。
そのお陰で私、今日福島に帰れるんだから。
いきなり決めたんだけど、ね。」
忠志に見えない様に福島に持っていく鞄の中へ、年賀状をそっと詰める。
窓から差す朝の光を無防備に眺めながら、忠志はただ聞き訳の良い子供の様に、膝を抱えてストーブの前に座り込んだ。
そして『お前、言いだしたら聞かねえからな』と小さく笑った。
忠志は諦めた様に、私を東京駅の新幹線ホームまで見送ってくれた。
午前九時二十三分発。
もうお正月四日にもなって、東北新幹線に乗り込む乗客も少ない。
太陽はホームに並んだ私と忠志の斜め上から、何度も何度も私達を見下ろす様に、向かいに入って来る新幹線に時折反射しながら光を放つ。
向かいのホーム。
東京着。
東京へ戻って来る人々は、その太陽の光の中で皆、大きな袋や荷物を抱え、何やら楽しげに新幹線から降りて来るのが見えた。
「バアちゃんに聞きたい事って、何だよ。
言いたくねえならいいけどさ。」
忠志は視線を正面に向けたまま、そう私に聞いた。
「会議資料完璧だったよ。
そのお陰で私、今日福島に帰れるんだから。
いきなり決めたんだけど、ね。」